名古屋で希少な肉のランチを求めて|年間300頭しか出荷されない鳳来牛の話

あれこれ

先日、常連のお客様から「後藤さん、鳳来牛ってどこで育ってるんですか?農家さんって何軒いるんですか?」と聞かれました。

テーブル越しにその質問を受けたとき、正直、少し胸が熱くなりました。食べてくれるだけで十分なのに、この牛の背景まで知りたいと思ってくれている——その感覚が、私がこの一杯を作り続ける理由そのものだからです。

今回は、私・後藤が「頂」で鳳来牛を使う理由を、調理の話も交えながら正直にお話しします。

こんな方におすすめ

  • ✅ 名古屋のブランド牛「鳳来牛」について詳しく知りたい方
  • ✅ 希少な肉を使ったランチを名古屋市内で探している方
  • ✅ 大切なゲストや記念日に「語れる一皿」を選びたい方
  • ✅ レア牛丼の安全性・調理技術に興味のある方
  • ✅ 大須・矢場町エリアで特別感のあるランチを探している方
名古屋で希少な肉のランチを求めて|年間300頭しか出荷されない鳳来牛の話 | 元祖レア牛丼 頂

愛知にブランド牛がいることを、名古屋の人はまだ知らない

岐阜には飛騨牛があります。三重には松阪牛があります。では愛知のブランド牛といえば?

この質問を地元の方に投げかけると、多くの方が少し間を置きます。

答えは「鳳来牛(ほうらいぎゅう)」です。愛知県北設楽郡、奥三河の山深い土地で育てられる黒毛和牛。年間の出荷頭数はわずか300頭。担うのはたった3戸の農家さんだけです。飛騨牛や松阪牛がそれぞれ年間数千頭規模で出荷されているのと比べると、その希少さは際立ちます。

私がはじめて鳳来牛の存在を知ったとき、「なぜこの牛が名古屋で食べられていないのか」と本気で疑問に思いました。出荷量が少なすぎて、大きな流通に乗れない。だから地元の人さえ知らないまま、ひっそりと育てられ続けている——それが現実でした。

ならば、自分が直接仕入れのルートを作ればいい。そう決めて産地に足を運んだのが、「頂」の原点のひとつです。今では名古屋でこの牛を提供できるのは、私の店だけです。

酒粕で育てる、という哲学

鳳来牛にはもうひとつ、語らずにはいられない特徴があります。それが「酒粕飼育」です。

飼料に混ぜているのは、愛知を代表する純米大吟醸「蓬莱泉・空(ほうらいせん・くう)」の酒粕です。「空」は入手困難で知られる銘酒で、愛知のお酒好きなら名前を聞いたことがある方も多いかと思います。その製造過程で生まれる酒粕を、農家さんが手作業で飼料に混ぜ込んで牛を育てています。

この育て方が、鳳来牛の肉質に独特のキャラクターをもたらしています。サシと赤身、どちらかに偏ることなく両方の良さが共存しているのです。霜降りの脂の甘さと、赤身のしっかりとした旨味が、ひとくちのなかに重なってくる。これが私が「他の牛に置き換えられない」と感じる理由です。

25年の業界経験のなかで、さまざまな肉と向き合ってきました。それでも「この牛を使い続けたい」と思わせる食材に出会えたことは、料理人として本当に幸運なことだと感じています。

✓ ここまでのポイント

  • 鳳来牛は愛知県奥三河産の黒毛和牛。年間出荷わずか300頭・農家3戸という希少牛で、名古屋で提供しているのは「頂」のみ
  • 「蓬莱泉・空」の酒粕を飼料に使った手作業の育て方が、サシと赤身が共存する稀有な肉質を生み出している
  • 希少性ゆえに大きな流通に乗れないため、産地直仕入れルートを独自に構築している

「加熱しているのに、レアです」——この矛盾が、技術の証明

鳳来牛の話をすると、次に必ず出てくる質問があります。「レア牛丼って、安全なんですか?」

正直に言います。この問いに、私は毎回丁寧に答えることにしています。なぜならこれは不安からくる真剣な質問であり、食を扱う者として誠実に向き合うべき問いだからです。

頂のレア牛丼は「生」ではありません。肉の中心温度が70℃以上になるまで、二段階の加熱工程を経ています。食品衛生基準を完全に満たした調理をしています。にもかかわらず、口に入れたとき「レア」を感じる——この矛盾こそが、私が試行錯誤を重ねて確立した独自技術です。

明治時代からの牛丼のレシピを徹底的に研究し、現代の調理技術と組み合わせることで生まれた「魔法のつけだれ」。愛知県碧南市の白醤油を軸にワインと現代調味料を合わせたこのタレが、加熱した鳳来牛の旨味を閉じ込め、やわらかさを引き出します。食べてみれば、「なぜこの食感になるのか」が体で理解できます。言葉より先に、舌が納得します。

中学・高等学校の理科の教員免許を持っている私にとって、「なぜそうなるのか」を論理的に理解してから料理に落とし込むことは、ごく自然な考え方です。感覚だけに頼らず、加熱温度と食感の関係を追い続けた結果が今の技術です。

「食べログで保存だけしていたんですが、思い切って予約して正解でした。鳳来牛のやわらかさと旨味に驚いて、気づいたら友人に話しまくっていました。」

食べログ口コミより(30代・女性)

1日10食限定という制約を、私は誇りに思っている

鳳来牛レア牛丼は、毎日10食しか用意していません。これは商売の論理からすれば非効率かもしれません。でも私は、この制約を手放すつもりはありません。

300頭しかいない牛を、3戸の農家さんが丁寧に育てている。その事実と向き合えば、大量に仕入れて大量に出すという発想にはなりません。「今日の10食のために、奥三河から届いた肉を、今日の最良の状態で出す」——それが私の仕事です。

「食べる人、作る人、育てる人。三者が出会う場所」——これが私の店の在り方です。13席の小さな空間で、その3つの意志が交差するとき、一杯の牛丼はただの食事を超えるものになります。

ランチ専業で、営業は週4日(月・火・土・日、祝日も営業)。席数も限られています。「ライバルは鰻屋」と自分たちに言い聞かせながら、体験の質だけで勝負すると決めた店の、これが形です。

まとめ:鳳来牛を「語れる一杯」として、あなたのテーブルへ

鳳来牛の話をひとことで言うなら、「愛知で年間300頭しか出荷されない、酒粕で育てた幻の黒毛和牛」です。名古屋でこの牛を食べられるのは、大須4丁目にある「元祖レア牛丼 頂」だけです。

接待の席でも、大切な方との特別な日にも、遠方からのゲストへの名古屋案内にも——「なぜこの店を選んだか」を自信を持って語れる一杯があります。料理が届く前から、テーブルに会話が生まれます。

鳳来牛レア牛丼「真骨頂」は並盛(肉100g・米200g)¥2,600から。1日10食限定のため、確実にお召し上がりになりたい方は食べログのご予約をお勧めします。ご予約の際は要望欄に【鳳来牛希望】とご記入ください。

最新の営業カレンダーや仕入れ情報は、公式Instagramでお伝えしています。来店前にぜひご確認ください。お客様のご来店を、心よりお待ちしております。

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