「名古屋で牛丼屋をやっています」と言うと、たいてい同じ顔をされます。「牛丼って、あのチェーン店みたいな?」という顔です。
テレビ取材のオファーが来たときも、最初はそんな空気がありました。CBC「花咲かタイムズ」のスタッフさんが初めて来店されたとき、正直、私自身が一番緊張していました。「レア牛丼という言葉をどう伝えるか」「食の安全への疑問をどうクリアするか」——頭の中でずっとシミュレーションしていたのを今でも覚えています。
「牛丼なのに¥2,600は高い」「レアって生じゃないの?」「週に4日しか開いていないの?」——お客様が来店前に感じるこうした疑問は、私が4年間向き合い続けてきた本物の課題です。CBCに出たことで一気に認知が広がりましたが、それはゴールではなく、むしろ「伝え続けること」の重さを改めて感じた出来事でした。
この記事では、テレビで話題になった後も変わらず大須から発信し続ける「頂」の今を、失敗談も交えながらお話しします。
こんな方におすすめ
- ✅ CBC「花咲かタイムズ」で「頂」を見て気になっている方
- ✅ 名古屋・大須でほかにはない本格的な和牛体験を探している方
- ✅ レア牛丼の安全性や調理法について正確に知りたい方
- ✅ 鳳来牛という愛知のブランド牛について詳しく知りたい方
- ✅ 接待や特別な日に「語れる一軒」を探しているビジネスパーソンの方

テレビに出る前、正直「伝わらないかもしれない」と思っていた
「花咲かタイムズ」の放送が決まったとき、スタッフ一同で喜んだのは確かです。でも私の中には同時に、ひとつの怖さがありました。
「レア牛丼」という言葉の難しさです。
頂のレア牛丼は、生ではありません。中心温度70℃以上の加熱を二段階で行い、食品衛生基準を完全に満たしています。「加熱しているのに、レアを感じさせる」——これが頂独自の調理技術の核心です。でも「レア」という言葉だけが先走ると、「生肉では?」という誤解が生まれる。テレビという媒体で、この繊細なニュアンスを伝えられるか、放送前は本当に心配でした。
実際、放送後にお客様から「食べてみて初めてわかった。全然違う料理だった」という声をいただいたとき、安堵と同時に「もっと早くから丁寧に伝えるべきだった」という反省が湧いてきました。調理技術を磨くことと、その技術を言葉で伝えることは、まったく別のスキルだと痛感した瞬間でした。
業界経験25年、中学・高校の理科教諭免許も持つ私が、なぜ「伝え方」にここまで苦労するのか——それは、この料理が既存のどのカテゴリーにも収まらないからだと今は思っています。
東海TV7局掲載の裏側にあった、幾度もの「やり直し」
CBC「花咲かタイムズ」のほか、テレビ愛知「愛知あたりまえワールド」、中京テレビ「前略、大とくさん」、CBC「チャント!」、メ〜テレ「ドデスカ!」「アップ!」「超町人!チョコレートサムネット」——東海エリアの7番組に取り上げていただきました。ありがたいことです。でもこの数字の裏には、試行錯誤の連続がありました。
開業当初、鳳来牛の仕入れルートを確保するだけでどれほどの時間がかかったか。愛知県奥三河産・年間出荷わずか300頭、農家わずか3戸という希少牛です。名古屋に直接届けるサプライチェーンを構築するには、生産者さんとの信頼関係を一から築く必要がありました。最初は「本当に安定して仕入れられるのか」と自分自身が不安でした。
魔法のつけだれも、最初から完成していたわけではありません。愛知県碧南市の白醤油をベースに、ワインと現代の調味料を組み合わせる現在のレシピにたどり着くまで、明治時代から続く牛丼のレシピ研究を重ねながら、何度も何度もつくり直しました。「これだ」と思える一杯になったとき、一人でガッツポーズしたのを覚えています。
テレビで「元祖レア牛丼の店」として紹介されるのは光栄です。でも「元祖」であり続けるには、毎日のように研鑽を積む必要があります。1日10食限定という数字は、鳳来牛の希少性を守るための必然であり、品質への誓いでもあります。
✓ ここまでのポイント
- 頂のレア牛丼は「生」ではなく、中心温度70℃以上の二段階加熱による独自技術で「レア感」を実現している
- 鳳来牛は愛知県奥三河産・年間300頭・農家3戸の希少黒毛和牛で、名古屋で食べられるのは頂だけ
- 東海TV7局掲載は一朝一夕ではなく、食材・仕入れ・タレのすべてを磨き続けた積み重ねの結果
「鳳来牛って何?」——語れるようになるまでの話
岐阜には飛騨牛、三重には松阪牛。では愛知のブランド牛といえば?
この問いにすぐ「鳳来牛」と答えられる名古屋の方は、まだ多くありません。CBCをはじめ複数のメディアに出演して、少しずつ認知が広がってきましたが、それでもまだ「初めて聞いた」という方が大多数です。
鳳来牛の特徴は、地元の銘酒「蓬莱泉・空」の酒粕を飼料に混ぜて手作業で育てることにあります。その結果、サシと赤身両方の良さを併せ持つ、他の黒毛和牛にはない肉質が生まれます。この牛を、碧南の白醤油×ワインのオリジナルタレで仕立てた一杯——それが鳳来牛レア牛丼「真骨頂」(並 ¥2,600)です。
開業当初、この説明をうまくできなくて悔しい思いをしたことがあります。食材カードを用意し始めたのもそのためです。「語彙がなければ、体験は広がらない」——これは私が4年間で学んだ最も大切なことのひとつです。今では来店されたお客様に、鳳来牛のストーリーをお伝えすることが、料理を提供することと同じくらい大切だと思っています。
接待やご記念日にご利用いただくお客様が多い理由のひとつも、ここにあります。「実はこの牛、愛知で年間300頭しか出荷されないんです」という一言が、食卓の会話を豊かにする。料理が届く前から、場が温まる。ライバルは鰻屋、と私がいつも言うのは、そういう意味です。
「食べログで保存だけしていて、ずっと行けていなかった。やっと来れて、鳳来牛のストーリーを聞いて感動した。こんな牛が愛知にいたなんて知らなかった。」
食べログ口コミより(30代・女性)
「花咲かタイムズ」で紹介されて変わったこと、変わらなかったこと
CBC「花咲かタイムズ」放送後、食べログの保存件数が大きく伸びました。現在は2,989件。名古屋・大須エリアの飲食店としては、決して小さな数字ではありません。
一方で、口コミ件数は55件。この「高保存・低口コミ」という現象は、私にとってずっと考え続けているテーマです。「行きたい」と思ってくださっている方が、まだ来店に踏み切れていない——その理由のひとつが、情報の不透明さにあるのだと受け止めています。
変わったこと。それは「遠方からわざわざ来てくださるお客様」が増えたことです。台湾・韓国・香港からのインバウンドのお客様も増えています。大須観光と組み合わせてご来店いただけるのは、大須という立地の強みです。2026年のアジア競技大会(名古屋開催)を見据えると、この流れはさらに大きくなると感じています。
変わらなかったこと。それは、営業スタイルと食材への姿勢です。週4日・ランチのみ。全食材を愛知県産で統一する哲学。鳳来牛1日10食限定。これらは「効率化のために変えた方がいい」と言われたこともあります。でも変えません。この制約の中でしか出せない品質があるからです。
「食べる人、作る人、育てる人。三者が出会う場所」——これが頂の根本にある考え方です。メディアに出ても、保存件数が増えても、この一点は揺るぎません。
「CBCで見て来ました。正直、牛丼でこの値段はどうかと思っていたけど、食べた瞬間に納得しました。鰻屋さんより特別な気分になれた。また来ます。」
食べログ口コミより(40代・男性)
今、頂が大須から伝え続けていること
「元祖レア牛丼」という言葉を名古屋に定着させることが、私の使命だと思っています。飛騨牛、松阪牛と並んで、愛知にも「鳳来牛」があると——いつかそれが当たり前になる日まで、大須の2階から発信し続けます。
毎月の営業カレンダーは公式Instagramで更新しています。不定休もありますので、ご来店前に必ずご確認ください。鳳来牛レア牛丼を確実に召し上がりたい方は、食べログのご要望欄に「鳳来牛希望」とご記入の上、ご予約いただくと安心です。飛び込みももちろん歓迎ですが、1日10食という数には限りがあります。
矢場町駅4番出口から徒歩約2分。大須商店街エリアの2階に、今日も「頂」は開いています。牛丼の概念を、覆しにきてください。
ご予約・詳細はこちらからどうぞ。鳳来牛希望の旨をご記入の上、お気軽にご利用ください:
今すぐ予約(24時間受付)
最新の営業情報や鳳来牛の入荷状況は、こちらでご確認いただけます:
公式Instagramをフォローする


コメント